オーディオ・ベースマン見たり聴いたり ECM録音・ウォルドロンとキース・・「魂が解放」されるのはどちら?。

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり ECM録音・ウォルドロンとキース・・「魂が解放」されるのはどちら?。

あおのりさんの「LPとCDを聴く」から、気になった盤。それをベースマンで聴きました。マル・ウォルドロンさんの「フリー アット ラスト」とキース・ジャレットさんの「心の瞳」(これは、ベースマンにあるLPです)。ECMの録音は、楽器の音を一音、一音シッカリとらえ、低歪み、音に厚みがある。煌(きら)びやかな響きを抑え、演奏者が聴き手に伝えようとする音楽を脚色せず、着実に録音している感じ。音が、弾(はじ)け飛ぶ表現はなく、落ち着いたトーンで一貫している。噛めば噛むほど味が出てくる…じゃなく、聴けば聴くほど引き込まれる。説得力に富んだ録音だ。アイキャッチ画像は、マル・ウォルトロンさんの「フリー アット ラスト」。

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キースの「心の瞳」。僕、このジャケット写真を見ると、いつも、谷山ひろ子さんの『窓』という歌の出だしの歌詞数行を口ずさんでしまう…。

ウォルドロン・トリオ。 感銘度②、 帯域の広さ⑤、解像度⑤、SN比④、高域表現⑤、中間表現④、低域表現⑤、コントラスト④、音像定位(楽器、人物の位置がハッキリしているか)⑤、空間表現 左右、奥、音の鮮度 上。 寸評、音の輪郭は、太いが淡い。低域表現が、出色で、音に聴こえないバスドラムの振動がB&W802D Prestigeから聴き手の足元に伝わり、低音を強力に補強。構造のしっかりした再生音。CDの帯に「如何にも凄い作品と思われる言葉」が躍(おどっ)ているが、僕、感動はしなかった。コンテンポラリー(現代)らしいが、どんな音楽かよく判らない。店主が、ピアニストのウォルドロンさんを評し、「下手(へた)、上手(うま)なピアニスト」とか。その心は、「ピアノは下手だが、ジャズは上手い」。鍵盤の技術は、上手くないが、ジャズのツボに嵌(はま)ったピアノは弾ける、といった感じ。

一方、「ピアノも上手いし、音楽(ジャズだけではない)もいい」(と僕が、思う)キース・ジャレット。 感銘度⑤、 帯域の広さ⑤、解像度④、SN比④、高域表現④、中間表現⑤、低域表現④、コントラスト⑤、音像定位(楽器、人物の位置がハッキリしているか)④、空間表現 上下左右、手前、奥と完璧。音の鮮度 特。 寸評、このLP。音質が良いシステム、場所でないと演奏者の意図が良く判らない。意図は、「魂の解放」。その瞬間を迎えるため、演奏をし続ける。40年ほど前にこのLPを購入。東京のアパートで、聴き、それから、37年後にベースマンの前の店で聴いた。いずれも、音の良くない部屋。A面を聴き、B面の10分過ぎあたりから始まるサックスまで、「(楽器の音が籠っているため演奏が明瞭に聴こえず)耐えがたきを耐え、忍び難きを偲び」の心境を保持しないと、「魂の解放」が得られない。が、オーディオ機器、音のイイ新しい店では、ピアノ、ドラム、ベースの楽器がハッキリ、クッキリ、スッキリ聴こえ「耐えがたきを偲び難きを偲ばなく」ともサックスが鳴り響いた瞬間「魂が解放」される。

なお、「魂の解放」、その瞬間が、視覚的にわかりやすいのは、諸星大二郎先生の1976年作品、「妖怪ハンター シリーズ」・「生命の木」の巻。解放されようとする魂もしくは人間、それを的確に表現、集約している作品。東北の田舎の村。迫害を受ける隠れキリシタン。その末裔(まつえい)善治がメシアとして復活、皆を天国に導く。その時の希望に満ち、恍惚(こうこつ)とした善治の表情。そして発せられた台詞(セリフ)、「みんな、‘ぱらいそ’さ、いくだ!」(点 ‘’ 、は僕がつけました。原文にはありません)。子供心に、これが人の「魂の解放」ってこういう事だなと思った。