オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ A-300 その②・・あと、3%ほしい…。

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ A-300 その②・・あと、3%ほしい…。

アキュフェーズ 純A級モノフォニック・パワーアンプ・A-300。2台で300万円ほど。A-300の音色、生楽器の音に近い。その再現率は、77%。工業製品なので楽器の音を100%再現するのは、どだい無理な話。8割を超えればいいと思っている。それに迫るアンプが出現した。語る音は、パワーアンプのA-300の性能、表現力のみの話。例えば、音質の改善を図るため、スピーカー(SP)の位置を変え、プリアンプを交換し、電源ケーブルを吟味し、所謂(いわゆる)オーディオ・アクセサリーを接続し、部屋の音響を変えるためのボード設置、等々すれば再現力が変わるーといったA-300の能力の判断を混乱させる要因を排除、考えない。そのような瑣末(さまつ)な事を論じても意味がない。時間の無駄!。どのような状況に置かれようと、安定した性能を発揮するであろう、このA-300の持つ純粋な楽器再現能力を評価したい。

ジャズ、シンバルの音。A-75(左)は、ただの金属の板、300(右)は、楽器の音に聴こえる。質感に差が。

A-300の音色を上記のように評価したのは、Decca 「スター・ウォーズ」組曲 ジョン ウィリアムス作曲 (ズビン・メータ指揮、ロサンジェルス・フィルハーモニー管弦楽団)のCDをアキュフェーズ・DP/DC-1000で聴いたとき。その第二楽章・( Princess Leia‘s Theme)の冒頭。A-75では、管楽器の質感が今一つ。管楽器のフルートの独奏が始まり、オーボエ、ホルンと独奏がつながれ、そして、オーボエ・クラリネット・バスーン(ファゴット)のハーモニー(?)。その間、ハープ、ヴィオラ、第一、第二ヴァイオリンといった弦楽器のサポートがあり、弦楽器が、そこはかとなく、微(かす)かに漂(ただよ)って聴こえる。今まで、A-75だとフルートの音色は、判断できるが、オーボエの音色がクラリネットなのかオーボエなのか判断ができなかった。そして、75は、ホルンの音色は分かるとして、その次の管楽器三種のハーモニーが、75では判別不能。75では、クラリネット単独の音と聴こえていた。しかし、300で聴いて種類は判断できないが、何種類かの菅楽器が混じっていると聴こえた。その部分、自宅に帰り、「STAR WARS」 Suite for Orchestraの楽譜(注)で確認、やはり、複数の管楽器が演奏している。300は、複数の管楽器の音色の違い、ハーモニーを再現している事を確認した。大したものだ。

極めてフラット、脚色のない音質。音楽鑑賞に没入できる。没入して実演を想起して聴いていると「あれ?、隔靴掻痒(かっかそうよう)というか、もう少しだ、今、一つ、満ち足りない」。楽器の質感。ほぼ良いがパーセンテージでいえば、77%ぐらい、あと3%ほどの音質のピースが埋まらない、足りない。埋まると最高。埋まれば、「もっと、素晴らしい再現能力になる!!」と思いを巡らしてしまう。

3%が埋まるのは、十年後かなぁ。

(注) A-75で聴いたときは、フルート以外の管楽器の音がはっきりわからず、モヤモヤした気分が晴れない。自宅でもそうだし、ベースマンで聴いてもそうだった。そのため、楽譜をわざわざ購入。買っておいて良かった。