オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ A-300 その③・・脚色がないのはグッジョブ(いい仕事)。

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ A-300 その③・・脚色がないのはグッジョブ(いい仕事)。

アキュフェーズ モノフォニック パワーアンプ A-300。このアンプを聴いていると数年前、今の店に引越しをした時の出来ごとを思い出した。留守番をたのまれたある日。そこにお客様が。ー店主が帰ってくるまで一時間ほどですけどー。ーそれでは、待たせていただきますー。暫(しば)しアキュフェーズ製品を一緒に聴いた。一通り聴き終えると、その方が、おもむろに「アキュフェーズは、(音が)フラットだね」と感想を。そしてこう付け加えた。「アキュフェーズの回路は年々シンプルになってきている」と。まず、この話は置いておいて、A-300を聴いた後に、A-75、P-7500はどのように聴こえるのだろうか?。比較してみた。

アキュフェーズ・P-7500。AB級アンプ。

アキュフェーズのAB級パワーアンプは、店主を納得させる要素が今一つのようだ。これまでA級パワーアンプとAB級パワーアンプを聴き比べるとファイナルアンサーは、A級アンプに軍配を上げるベースマン店主・細川 茂雄氏。「合奏の質は(再生した管楽器群の音がA級アンプ)より落ちる。マイルスの吹くトランペットのタンギングの初めの『プッ』の音が消える」。「(AB級アンプは)伸びやかで(音の)コントラストは高いのですが、楽器のハーモニーの絡み具合が(A級に比べ)今一つです」と相変わらず。マイルス・デイヴィスの「MILES AHEAD」を聴いたときの感想。人の好みとはまことに複雑なものがある。僕から言わせれば、AB級アンプは、「ザラザラ」した感じに聴こえ、「しっとり感」はなく楽器の質感、音の濃さは落ちる。でも、ジャズとオーケストラといった音楽に必要な伸びやかさ、すがすがしさ、解放感、臨場感を求めたい音楽なら、AB級アンプは「最高」と思っているのだけど…。

それでは、比較して聴いた印象を。A-75。音の背景の静けさが落ちる。密度が落ちる。解像度が淡くなる。(音の)力が無い。(音の)鮮度が落ちる。全体的な音のコントラスト(ハッキリ、クッキリ、スッキリ、もしくは音の鮮やかさ)は落ちる。でも、店主は「おススメ」。P-7500。(A-300に比べ)明るい音調。力はある。きめ細やかさに欠ける。解像力、特に高域は落ちる。密度、質感は落ちる。音の伸びやかさはA-300より上。僕は、ガサツでもいいから、迫力、押し出しの強い音楽が好きな人におススメする。僕が、独奏、弦楽四重奏をメインで聴かなければ、P-7500を取る。

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A-300、いままで聴いたアンプの中で一番フラット。平坦、突出した帯域表現がない。工業製品的、人為的な脚色がない。冒頭のお客様の発言に戻りましょう。このお客様の発言以来、僕は`アキュフェーズの音はいい‘と確信した。オーディオ機器は、あくまでも音楽鑑賞の黒子。このお客様は、自作でアンプを作るのが趣味。マランツの真空管アンプの中古を求めて来店。なんでも友人に頼まれてそのアンプを改造するらしい。そのお客様がいう。「(アンプを)自作して(楽しいのは)回路のある(特定の)位置にあの部品を組み込めば自分が思ったような音がでるのでは?」と思いとその部品を組み込んだ瞬間、「思った通りの音がでた!。その瞬間が、嬉しい!」と言ってました。

四月のアキュフェーズの試聴会。試聴会が終った後、堀田係長に「アキュフェーズの回路は、年々、シンプルになってますか?」と訊ねてみた。堀田係長、瞳を輝かせながら「ええ、そうです」と。

試聴中、 Bitppさんから店主にメールが。「アキュフェーズのプリ、パワーアンプのデスプレィを消すと音質が上がると…」。プリ、パワーの表示を消すと確かに音の背景の曇りが取れ、音が締まった。こんな機能があったのね。トライオードのCDプレイヤーにはこの機能が、あったので効果は確認してましたが、C-3900、A-75にもあったのですね。これから常に使います。

5/22追加。表示を消していてもリモコンで、ボリューム調整をすると、ボリュームの㏈がディスプレイ表示される。数秒後には、自動的に消えて左の写真のような表示になる。「うーん、さすがはアキュフェーズ」と言うしかない。機能の面でも使い勝手の「おもんぱかり」は充実している。座布団三枚!!。いや、こうなったら、五枚だ!!!持ってけ、泥棒~。アレ?。