オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ製品は高額!?。いや、覚悟を決めれば適正価格。

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ製品は高額!?。いや、覚悟を決めれば適正価格。

アキュフェーズの今年の新製品。プリメインアンプ・E-700が約100万円。SACDプレイヤーのDP-770が約150万円。「ハッキリ、クッキリ、スッキリ」とした音楽再生音質が期待できる同社製品。新しい製品が出るたびに感じる確実な製品の性能、音質向上。このところの物価上昇に相まって価格が上昇。高額化が気になる。が、本当に高額なのだろうか?。

DP-450。アキュフェーズ製品としては低額。でも、音質の妥協は一切ない。

同社の製品で音楽を聴こうと思い製品を購入する。最低価格は、プリメインアンプ・E-280が40万円ほど。CDプレイヤー・E-450が43万円ほど。これにスピーカー(SP)が必要。SPやケーブルなどケーブル類の吟味はさておき、80万円ほどの金額がかかる。ちょっといい機種をチョイスすると、プリメインアンプ・E-700が95万円。音源はCDのみでいいとして、E-450を選択すると138万円ほど。1973年、同社の創業理念(注)に基づき発売したセパレートアンプ・C-200が16万円ほど。パワーアンプ・P-300が23万円ほど。しめて40万円ほどお金がかかった。その金額がどのくらいかというと、当時の大卒初任給が8万円ほどで年収100万弱。高卒が6万円ほど、年収で70万ほど。ざっくりと計算すると年収の半分をかけなければアキュフェーズ製品は(SP、レコードプレイヤーを除いて)購入できなかった。もっと年収が低い人も多かった当時、40万は、年収以上の金額。今の僕たちが想像できないほどの金額だったに違いない。現代。初任給、大卒が月23万円で年収276万円。高卒19万円、年収228万円。今でも「ちょっと贅沢だけど一日の終わりには音楽を聴いて眠りに尽きたい」と思い、覚悟を決めざっくり年収の半分を使うとアキュフェーズ製品を購入できる。`孤高のオーディオメーカーにならん´とし1973年にアンプを世に問うた時の価格と今の価格、年収に占める割合で比較すると変わらない。

1990年から始まるバブル経済崩壊後、日本人、「手軽で安くて良いもの」に固執しすぎた。質はそこそこで、値段ばかりを気にした日本の歪んだ経済活動(日本人の精神活動)の結果が「高額化に難色を示す」という21世紀日本人気質を作り上げた。いまだに「高額だ」と目くじらを立てて「ああだこうだ言う」ことがなんと多い事か。僕の経験上、工業製品、耐久消費財、何十年に渡って使う物は「価格なりの性能、魅力」。飽きず長く使えるものは常に高額だ。

創業時からアキュフェーズ製品は、高い。その価格、音質が私(わたくし)の好みに合わなければ、他のメーカーの製品を選べばいいだけの話。

(注)インターネットでアキュフェーズの生い立ち、創設の理念を検索すると以下のように同社は紹介している。『アキュフェーズは、春日仲一・二郎兄弟が、トリオ㈱:現・㈱JVC ケンウッドを退社して 1972 年に創業、妥協を余儀なくされる大量生産ではなく、市場は小さくても、音にこだわり、自分たちの理想とするオーディオ機器を創りたいという思想を共有する同志が集まり、その設計・生産・販売・サービスを可能とする、孤高のオーディオ専門メーカーを目指して創立されました』。

なお、書いている内に思ったのだが、「孤高のオーディオ専門メーカー」の前に「狷介(けんかい)」という言葉を付け加えた方が有無を言わせない迫力が出る。「狷介孤高(けんかいここう)のオーディオ専門メーカー・アキュフェーズ」。おー、思わず両手を合わせて拝みそうになる。