オーディオ・ベースマン見たり聴いたり NAGRA・・「マスター・テープ」の音ってやや変?・・・

NAGRA®T AUDIO TC  ナグラのマスター・テープ・レコーダー(?)。「2019 東京インターナショナルオーディオショー」のハイエンド(有)のブースで再生。1960~70年代のクラシック・ジャズを聴かせてくれた。

マスター・テープの音。鮮烈な音だけど、鑑賞する音楽として聴いた場合、まとまってないような気がした。

ハイエンド(有)のブース。ジャズが中心の選曲。トライオードの山﨑 順一社長によれば、「海外のオーディオ、ジャズかロック(を再生するの)が主流」との事。マスター・テープ再生でもクラシック音楽は一曲だけ。あとは、ジャズと軽めのロック。

音質は?というと、現場からゴソッと音を持ち込んだかのように生々しい。高SN比、高解像度がもたらすハッキリ、クッキリ、スッキリした高コントラスト。高いエネルギー密度が可能とする陰影表現。前後左右に力強く音場を広げ、トランジェント(音の立ち上がり)に優れているため、躍動感がある。

ただ、楽器の位置などの定位は違和感がある。左よりに音が定位する。主に左側によった位置から音が聴こえる。それと楽器の音が全て同じ音量で聴こえるような気が。「ドバッ」と音が無造作に出てきて、鮮度が高く、目の前で演奏が行われているような錯覚を生じる。けど、「もう少し、うまく整理整頓出来ないかなぁ」。聴き込むとそのような感慨が沸き起こってくる。

22日(金)、テクニクスのブース。オーディオ評論家の小野寺弘滋さんの講演。「マスター・テープは料理する前の材料」、「マスタリングは重要です」との言葉が頭をよぎった。