オーディオ・ベースマン 見たり聴いたり アキュフェーズで聴く嶋護さんのCD その②

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濁りなく、正確な音。耳が痛くなるようなヴァイオリンの高域を頂点にコントラバスの気持ちが悪くなるような低域まで解像度十分。オーケストラの各楽器の分離は素晴らしい。

冴えて透明感が高く、立ち上がりの鋭い中高域はリアルであり、倍音がよく抑え込まれた低音はコントラストが高く、陰影表現に優れている。透徹した再生音は、音程の変化も聴きとれるほど。各楽器の音は林立し、ガラーンとした無空間にオーケストラの各楽器の音像が立ち並ぶ。抜群の解像力で色々な楽器の音が楽しめる。ただ、柔らか味といったものが、皆無。無表情で人工美に満ち溢れている。それはあたかも、浅い箱に、土砂を入れ山水の景色、庭をかたどった精巧な「箱庭」を連想させるCD。

なお、ヴァイオリン協奏曲第1,2とは別に、ヴァイオリンソナタは、独奏者の何かを語りかけ、表現したくとも上手く伝えきれない何かを感じる。

ステレオ サウンド 2014 秋号 No.192のデジタル時代の優秀録音の必聴盤⑬のCD。紹介文の中に「この掛け値なしの優秀録音CDの市場価格が千円程度だというのだから、演奏家や制作者やレーベルに感謝せずにいられない」とあるが本当に、そう思う!。

CD プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1,2番ほか。テディ・パパヴラミ(vionlin)  アントニ・ヴィト指揮ポーランド国立放送交響楽団。(ナクソス8.553494)

使用機器 アキュフェーズ C-3850 A-200 DP-700 B&W805D3 自作オーディオボードなど。