酒徒礼讃 洋酒 スコットランド ジョニーウォーカー ブルーラベル・・木の「お焦(こ)げ」の魅力を堪能。

酒徒礼讃 洋酒 スコットランド ジョニーウォーカー ブルーラベル・・木の「お焦(こ)げ」の魅力を堪能。

ジョニーウォーカー ブルーラベル。16.000円ほど。気配りが行き届き入念に造り込まれる ブレンディットウイスキー、 値段と味は一致する。手間暇を惜しまずじっくりと時間をかけて造られる‘慎み深い労作’。 古今東西、色々な酒があるが、ブレンディットウイスキーが一番、自分に合う。その上品で濃厚、「慎み深い味わい」は「生」のままで飲むのがベスト。残念ながら胃腸に対する影響は大きい。

撮影場所 岩手県・滝沢市・巣子(すご)  (有)小林椅子工業。‘ルーマニア’製の折り畳みテーブル・椅子をレストア。テーブル・椅子の再塗装、椅子の 折り畳み 作動の修理、籐の張替えをして頂いた 。 三十数年来の願望が叶う。

琥珀の液体、ブルーラベルを口に含んだ瞬間、「無味(むみ)かな」と。一呼吸おいて木が燻(いぶ)されたスモーキーな味が口蓋を刺激し、鋭い酸味が「スッ」と鼻腔を爽快に抜ける。一方、舌の味蕾(みらい)には、濃縮された太い甘みバニラ味が溢(あふ)れ、脳の快楽神経は大喜び。口蓋は咽(むせ)かえり、舌は、甘味でとろけそう。喉奥に最後の一滴を送り込むと、酸味、苦味、抉(えぐ)味の三種の後味が、甘さを追い払う。相反するスモーキーフレーバーとバニラの甘味。そのスモーキーな味が、何故、爽快に感じるのだろう?。それは、夏の早朝に嗅ぐ、前の晩のキャンプファイヤーの焦(こ)げた薪(まき)の残り香。太陽が昇り始め、 明るく日光が差し込む緑深い木々に囲まれた爽快なキャンプ場。新鮮な朝霧の中、朝露が落ちた薪の黒炭が漂わせる‘香り’。それが、スモーキーな香り。爽やかだ。「早朝の田舎の匂い」と言っていい。ウイスキーの原料、「麦芽」を燻した燃料「ピート」のもたらすフェノール性化合物の何という奇跡。 ピートの「焦げ」が麦芽を香らせる。 そして、甘ったるいバニラ香。樽の材料であるオーク材の中に含まれる「バニリン」などの香味成分の賜物。熟成樽を「フィル」という。「フィル」に施す「チャー」と「トースト」。樽の内部に直火をあてることを「チャー」。低音加熱でできる2~3ミリの炭化層が「トースト」。またしても「焦げ」の効果で、濃厚な甘さ、上品な甘さの二通りのバニラ味が現れる。その不思議さ!。

ウイスキーは、‘木のお焦げ’の恩恵を受けた『酒』かもしれない。

室内もいいが、木製のテーブルを野外に設置。ウヰスキーが良く似合う。できれば、焚火(たきび)も欲しい。